これは、実際に写真展で大伸ばしプリントをしてみれば誰もが強く実感できる事だと
思うのですが、近年の
インクジェットの大判プリンター
によるプリント品質はとても素晴らしいものがあります。そして、非常にリーゾナブルな値段で大判プリントが可能なのです。
2002年の写真展では、600万画素データを元にA1ノビ(
610mm×915mm)で2枚ほどエプソンさんのご協力で
プリントさせて頂いたのですが、さすがに600万画素では解像度の限界を超えていると
感じましたが、1200万画素クラスであれば、この大判プリントでも十分満足のできる解像感でプリントできるのです。
人間というのは欲深いもので、600万画素でずっと満足していたものが、大判プリントの魅力
を経験してしまうとさらに上の1200万画素が欲しいと思ってしまうものなのですね。
そして、B0サイズ(
1030mm×1456mm) 、さらに大きなサイズの大判プリントで
写真展をやってみたいと考えるカメラマンも将来は増えてくるでしょうから、2000万画素クラのカメラが出たら
飛びつくカメラマンも多いと思います。
ただ、実際にEOS 5Dで何枚か撮影して感じた事は、1200万画素は非常にブレに
シビアです。たとえば、手持ちで100mmレンズで1/8000秒という高速シャッターで撮影
しても
手ぶれやミラーショックのブレでは?と思われるピクセルのの甘さを感じました。
以前から1200万画素クラスのカメラで撮影されているプロの方々の間でも、
「1200万画素クラスでの撮影は、三脚が必須」と言われているのです。
そろそろ従来の35mmフィルムカメラシステムの技術の限界に来ているのかもしれません。
一眼レフデジカメに批判的だったある人が「デジカメ時代では
一眼レフカメラは、負の遺産だ」
と主張していたのですが、いよいよそのような段階に突入してきたのかもしれません。
その典型が、
ミラーの存在です。一眼レフカメラは、ミラーがあることで、撮影時には
多少でもミラーショック振動を受けてしまいます。1200万画素クラスになるとこのミラーショックの振動
のブレもしっかり記録してしまうわけです。
もともとデジカメは、CCD(CMOS)の映像信号をLCD等の電子式ビューファインダーで見ながら撮影できる
システムだったわけで、このシステムならミラーショックのようなブレは原理的には起こりえません。
デジタル一眼レフカメラからミラーを取るとデジタル一眼
”レフ”カメラ
ではなくなってしまいますが、コンパクトカメラと同じような電子式ビューファインダーカメラになれば
また面白くなってきそうです。(技術的な課題はいろいろ残りますが)
そして手ぶれ補正システム。現在でも手ぶれ補正機能を備えたカメラボディ、レンズ製品は多く存在しますが
2000万画素クラスの時代では、必須システムになることでしょう。
忘れてはいけないのがデジタルならではの最大の特徴といえるPC側ソフトの後処理のシステムも重要です。
現状でも、デジタルならではだと感心する機能として、
「レンズの周辺光量落ちを補正する機能」
「フィッシュアイレンズの歪曲を補正する機能」
「一律的な画像のブレを検出して手ぶれを補正する機能」
など、PC側ソフトで実現されています。
今後、個々のレンズの特性データなどをこれらのソフトウエアに組み込めれば、個々のレンズ性能の
不十分だった部分(周辺画質の劣化の原因となる各収差)をソフトウエアできめ細かく補正する事は
簡単な事です(クォリティはともかく)。
また、安価なズームレンズの「安っぽいボケ味」もソフトウエアで「高価な大口径単焦点レンズと同等なボケ味」
に加工することも、「汚いレンズフレアやゴースト」を「かっこいい、フレアやゴースト」に加工する事も
容易でしょう。(今でも、やろうと思えばできますが)
純粋な写真家気質の高い人ほど、PC側ソフトの後処理という行為に嫌悪感を抱いている傾向は強い
と思いますが、個人的には、PC側ソフトを含めたトータルなシステムとしてデジタルカメラが進化して
いくことに期待しています。今はPC側ソフトで行っているこのような後処理機能も、デジタルカメラ本体の機能と
して組み込まれていくかもしれません。