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2003年の今年は、宮城県沖地震、宮城県北部地震、2003年十勝沖地震と大きな地震が続いた。
関東圏のダイバーとしては、東海地震の発生がが非常に気になるところです。
「東海地震は、明日起こっても不思議では無い」と言われ続けて
かれこれ30年近くなるので、「本当に起こるの?」なんて疑問視する声も
少なからず聞こえてきますが、いずれやってくる、しかも、そう遠く
無い将来に発生するだろうと思われます。
地震には、プレート型と内陸(活断層)型の大きく2つのタイプがある
事はご存知だと思いますが、M(マグニチュード)8クラスの巨大地震は、プレート型で、
(東海地震は、この型)、過去の歴史から100年〜150年周期(誤差数十年)
で繰り返し発生している事は歴史の記録でわかっています。
そして、このプレート型の巨大地震発生の前後(数年〜十数年)に
内陸(活断層)型の直下大地震(M7級)が、頻繁に発生しています。
1995年兵庫県南部地震、2000年鳥取県西部地震、2001年芸予地震は、
西日本の内陸(活断層)型の大地震(M7級)で、これらは
西日本のプレート型の巨大地震、つまり東南海/南海地震の前触れという事
かもしれません。
この地域の過去の巨大地震(M8級)は、
1946年 南海地震(東南海地震の2年後)
1944年 東南海地震
1854年 安政南海地震(安政東海地震の翌日)
1854年 安政東海地震
1707年 宝永地震(1703年には元禄地震)
1605年 慶長地震
1498年 7月に日向灘、9月に東南海〜東海
1360年 (11月:東南海?)、1361年 (8月:南海?)
(1241年/1257年 東海/東南海?? 相模??)
1096年 (12月:東海/東南海?、1099年(2月:南海?)
のようにほぼ100年から150年周期、
注目すべきは東海地震だけが単独で発生した過去はなく
いずれも東南海/南海地震を前後に伴ってほぼ同時に発生しているという点です。
前回(1944/1946)は、東海地震だけが発生し損ねたという事が、東海地震が
危ないと言われている根拠になっているようですが、
考えようによっては、東南海/南海地震の周期はやや早いが
今度の東海地震は、東南海/南海地震とほぼ同時に、数年以内に発生という
事も可能性として十分あるのです。
今年発生した2003年十勝沖地震は、前回の1952年から51年という短い間隔で
発生しています。1994年三陸はるか沖地震の前回は1968年で、26年という極めて
短い間隔でした。前回の地震による震源域の岩盤の破壊が不十分であると
次の地震の発生が早まるのではないかと考えられるようです。
つまり、前回(1944/1946)東海地震だけが発生し損ねたという事は、
次の東海/東南海/南海地震が通常の100年周期よりも短い間隔で起るかもしれない
という根拠と考える事もできます。
東海/東南海/南海地震が同時発生という最悪の事態になると
東日本〜西日本の太平洋側の主要なダイビングポイントは想像を絶する
巨大津波が押し寄せる可能性があります。
沖縄は、近年大きな震災を伴う大地震は発生していませんが、日本史上、
最大の津波は八重山諸島を襲っています。(1771年明和の大津波)
最大波高30m以上、最大遡上高は石垣島では85mだといわれ、
八重山全体の人口の32%、石垣島では48%の住人が津波の犠牲となったのです。
伊豆七島の新島と式根島は、1703年元禄地震による大津波で分断されたと
言われています。新島と式根島を分断する程の津波が、どれほどのものなのか、
想像できますか?
幸いダイビングの歴史において、ダイビング中における地震や津波に
よって犠牲(死亡や行方不明)になった事例は私の知る限り
聞いた事はありません。しかし、それはダイビングの歴史が地質学上の歴史
と比べ、あまりにも短いからであって、将来的には、ダイバーが潜水中
に地震が発生し、なんらかの被害を受ける可能性は十分に起こりえる話
なのです。
なんだか、恐ろしい話ばかり書いてしまい恐縮ですが、過去に起こった
事実がある以上、将来も同様の事が起こる事を覚悟しなければならない
のです。
できる事なら、なんとしてでも地震予知を実現してもらい、事前に
安全な避難ができるようになってもらいたいものです。
今年(2003年)の9月、「南関東をM7クラスの大地震が発生する可能性が
ある」と民間の地震研究者が発表し、それなりに世の中を騒がしました。
過去にも、「地震の予知」は何度となく繰り返し行われて来てはいるのですが、
今回の予知は、個人的にはかなり真面目に受け止めた予知でした。
1995年の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)以来、私も地震について無関心では
いられなくなり、数多くの地震関連書物を読み、おそらく20冊は軽く越えて
います。ホームページの情報も沢山読み漁り、いつのまにか、そこそこの地震ヲタク
になったと友達にも言われるようになりました。
その読んだ本のなかの「地震予知に挑む」(PHP新書)という本は、私の知った限り、
最も実現性に近い地震予知の方法だと感じました。
そして、今年の9月の地震予知は、この本の著者の串田嘉男氏によって発表された
ものであったので、私にとっては、「とうとう来るべき時が来たのか!」という
衝撃だったのです。
そしてこの予知の結末は、予想では9/16〜17±2日のところが9/20、房総沖M5.8〜
6.0の地震で、規模的には小さいものでした。
この今回の地震予知騒動の件で、私は明るい希望が見えてきたと感じると同時に
悲観的な印象も多く受けたのです。
明るい希望というのは、予知としてはみごとに的中という程ではありませんでしたが、
この位の精度であれば十分実用的だと感じました。
最新技術を屈指しているはずの現代の天気予報だって似たようなものでしょう。
過去の地震の経験から、地震の前になんらかの予兆(前兆現象)が起っている事は
わかってきました。「ナマズが暴れる」というものから「電磁波の異常」というもの
まで様々な地震の前兆現象が知られています。
中国では、このような前兆現象から、過去に2度ほど大地震を予知し住民を
避難させた実績があります。このように、前兆現象を分析すれば地震予知は可能
なのです。
しかし、近年地震学者の間では、この前兆現象からの地震予知は、極めて困難であると
いう見方がなされています。
地震の前になんらかの前兆現象が起こる事は間違い無いが、前兆現象(と思われる現象)
が起こっても地震が発生しないケースも非常に多く、また、大した前兆現象が
現れる事もなく大地震が起こるケースもあるのです。地震予知に成功した中国も、その後、
予知に失敗し多くの犠牲者を出した経緯があります。
つまり、前兆現象と地震の関連性が非常にばらばらで、とても予知できるというレベルには
程遠い、と考えられているようです。
インターネットのホームページにも「皆で前兆現象を報告してあって地震を予知しよう」
(これを宏観観測という)とする掲示板が多数存在しますが、毎日のように宏観異常の
書き込みがあり、いったい何が本当の地震の前兆なのかとても判断できないというのが
私の印象です。
こういう現状の中、前兆現象のひとつの電磁波の異常の検出は、比較的予知の精度
が高い、つまり実用化できるのではないかと注目されています。
ギリシャではVAN法という地中の電流の異常を検出し地震を予知
する方法が実用化しているようです。
日本でもVAN法による観測が行われているようですが、鉄道や工場の密集した日本では
ノイズの影響が大きく思うような成果があげられないようです。
そして前兆現象の電磁波の異常をFM電波を利用した電離層の異常として
偶然観察したのが前出の串田氏の方法です。
(専門的な原理は、インターネットで検索すればヒットするので、興味の
ある方は是非勉強してください。)
VAN法も串田法も、素人の私には非常に画期的な方法に思えるのですが、
地震の専門家であるほど否定的なようです。特にVAN法は既に
数多くの成果を上げているにもかかわらず、有用性を認めない地震学者は非常に多いのです。
どうやらVAN法は物理学者と電気技師により考案された方法、要するに
地震学者にとって「よそ者が常識外れな方法で地震を予知した」という事が
心情的に許せないようなのです。どこの世界でも少なからずありますが、ねたみ、やっかみ、
からの「出る杭は打つ」といった印象を受けます。
串田さんに対する日本の地震学者の扱いも、ギリシャにおけるVAN法に通じるものを感じました。
串田さんはもともと天文家ですから、地震学者にとって快く思われないのでしょう。
今年(2003年)の9月の地震予知発表後、マスコミや大学の研究者ら約120人を集めた技術討論会が
行われましたが、地震学者の参加者はたった2人だったようです。
素人の私がとやかく言う事ではないのかもしれませんが、一刻も早く地震予知の実用化を多くの
人々が待ち望んでいる裏側で、学者間での「ねたみ合い、足の引っ張り合い」がある(ようにみえる)のは
ちょっと残念でなりません。
さて、話を変えて、もしもダイバーが潜水中に大地震に遭遇したら、どうしたらいいのでしょうか?
津波の危険から避難する方法には2通りあります。
ひとつは、津波が届かない高台に逃げる事。もうひとつは、
水深が十分に深い沖に逃げる事です。
ダイバーが潜水中に大地震に遭遇した時、高台に逃げる事はまず無理です。
東海地震の震源が水深の深い駿河湾であった場合、おそらく地震発生から5分
程度で、津波の第一波が西伊豆のダイビングポイントを襲ってくると考えられます。
潜水中のダイバーが5分で浮上し陸にエキジットし高台に逃げるには時間的
余裕は無さすぎます。
漂流というリスクが伴いますがが、津波の被害から身を守るという観点では
浮上してできるだけ水深の深い沖へ移動するのが、最も現実的な津波
回避方法だと考えられます。(ボートダイビングであればボートで沖に移動するのが最良の避難方法です。)
ここで、問題なのは「どの位の水深のある沖なら安全なのか?」が
正直私にはまったくわかりません。
もし、沿岸で15mの波高の津波が襲うと仮定した場合どうなのか?
15mの津波の場合、おそらく最初の”引き”も相当強いだろうと
想像できます。水深15mの水中に留まっていたら、たぶん相当な力で
沖に引き込まれるような気がします。そう思うと水中に留まっている
のは危険だろう? 水中よりは水面の方が安全だと思われます、しかし水面でも
陸に近いと
そのまま大波と一緒に陸に叩き付けられので、相当沖に出ていなければ
なりません。
もし、運よく第一波の津波を回避できたとしても、それで安心はできません。
津波は1度で終わらず、何度も繰り返して押し寄せるからです。そして
第一波より次の第二波、三波の方が大きい事も考えられるのです。
そして、最悪のシナリオは、東海地震と東南海/南海地震が同時もしくは
数時間の時差で発生した場合です。先にも記したように、東海地震は
単独発生より東南海/南海地震と同時発生と考える方が自然です。
もし、そうなるととてつもない大津波が何度も何度も繰り返して
襲ってくるに違いないのです。。
もし沖に避難しなんとか津波をやり過ごしたとしても、安全に上陸するタイミン
グを見極めるのが非常に困難になるのです。沖に避難した船舶に運良く
救助して貰える事を祈るしか無いのかもしれません。
最後に、最も重要な難問があります。
それは、ダイビング中に地震が発生した時、それが大地震なのか、ただの
(せいぜい震度3〜4程度の)地震なのかの判断が水中でできるかどうかという
事です。
私は過去に1度だけダイビング中に地震(八丈島、震度3)に遭遇した事
がありますが、水中なので当然、揺れはまったく感じませんでした。一方で、
もの凄い音の地鳴りを数分間聞きました。ダイビング中、近くの水面を船が
通過すると水中はものすごいエンジン音が響くのですが、その地鳴りの音は
直ぐ水面を大型船が通過したのかと思う程の地鳴りだったのです。その時は
それが地震の地鳴りだとわかるはずもなく、八丈島の連絡船「ストレッチア丸」
のエンジン音かな?と思っていて、潜水後のニュースを聞いて、地震の
地鳴りであった事が判明したです。
つまり、西伊豆のダイビングポイントで潜水中に東海地震が発生したとしても
多くのダイバーは、「近くを大きな船が通っているのかな?」と感じるだけかも
しれないのです。
水中のダイバーが地震の発生をはっきり意識でき、それが大津波の
危険が伴うものなのかどうかの判断は、極めて困難ではないかと思われます。
先ほど書いた「できるだけ水深の深い沖に避難する」という行動は、大津波が来るという
確信が無い限り漂流の危険が伴うので、とてもできる行動ではありません。
結局は、「なんか、おかしいぞ?」という程度の異変には気が付いても、
何もできないような気がしてしてならないのです。
もし不運にもそういう状況に自分が遭遇してしまたっら、
せめて水中ビデオの録画ボタンだけは押すようにしたい。
冗談半分でよく「もし、ダイビング中、サメが襲って来たらどうする?」
と聞かれると「水中ビデオを録画状態にして、サメに立ち向かう」答える
(実際にそうしようと思う)のだが、それと同じで、
水中で大地震に遭遇したら、それを映像に残したい、水中で大津波に襲われたら
それも映像に残したい、そういう映像は世界中でも未だ誰も撮っていない
決定的なスクープ映像なのです。ダイビング中に大地震に遭遇し大津波に
襲われるダイバーは、非常に不運のダイバーだと思いますが、水中で大地震に遭遇し
大津波の映像をスクープできる水中カメラマンは、強運のなのかもしれない。。。
(2003年10月15日)
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